はじめに中高一貫校の種類についてみていきましょう。
中高一貫校は、運営母体の違いから、大きく3種類に分けられます。
・私立中高一貫校
・公立中高一貫校(都立や県立、市立など)
・国立大学附属中高一貫校
私立は、公立や国立に比べて、入学から卒業までにかかる学費が高い傾向があります。また、ミッション系や仏教系など、宗教教育を取り入れた独自の教育理念をもっている学校もあります。※1
次に、都立や県立、市立といった公立の学校にも、中高一貫校が増えてきています。
3つめの国立大学附属校は、国立大学の教育学部に附属している大学です。
教育水準が高く、進学実績がある傾向があります。
中高一貫校を検討している方は、それぞれの特性や受験の傾向を理解した上で、受験先を選定していきましょう。※2
※1 栄光ゼミナール.中学受験の学校選び 国立中学のメリットとは?
※2 文部科学省.高等学校教育の改革に関する推進状況について
中高一貫校における5つのメリット
中高一貫校の中には、建学の精神に則って、独自の教育カリキュラムを導入している学校があります。※3
また、大学の附属高であれば、内部の試験のみで系列の大学に内部進学できる場合があります。※4
では、中高一貫校の魅力は、どのような点でしょうか。多くの学校に共通している5つのポイントを解説していきます。
※3 中学受験ナビ.建学の精神に触れてみましょう|中学受験のイロハ 鳥居りんこ
※4 現代ビジネス.「限りなくフェア」な世界、中学受験。子どもの志望校選びのために保護者ができること
【メリットその1】高校受験がない
中高一貫校のメリットの一つは、高校受験がないことです。
例えば、中学・高校を通じて部活動に打ち込みたい方にとって、高校受験がない点はメリットです。高校受験がないため、中学3年性になっても部活動を中断する必要がありません。
また、小学校時代に受験勉強を頑張った子どもたちにとっては、高校受験が無い分、精神的・肉体的負担を減らせるメリットがあります。※5 ※6
なお、大学の附属校であれば、大学受験もありません。入学以降の受験がないため、本来であれば受験勉強に向ける時間やエネルギーを他に向けることも可能です。
ただし、受験がないとはいえ、成績や素行によっては高校への内部進学ができないおそれもあります。
また、一部の学校では内部進学の試験を行なっているため、中高一貫校を希望する方は覚えておきましょう。
※5 inter-edu.中学受験か高校受験かで、夫婦が対立。大学入試の影響はあるのでしょうか
※6 栄光ゼミナール.中学受験の学校選び 私立中学のメリットとは?
【メリットその2】子どもの希望、適性のある学校を選ぶことができる
中高一貫校には、建学の精神に則った教育理念やカリキュラムを実施している学校があります。※7
あくまで中学受験をして入試を突破しなければいけませんが、公立のように住んでいる地区で学校が限定されることないため、子どもの希望に合った学校を選ぶことができます。
また、中高一貫校には、教育理念やカリキュラム以外にも校風や充実した施設、海外研修や第二外国語などの国際教育、積極的なICT活用、クラブ活動、制服など、様々な点が他の学校と異なります。
学校選びの際には、指針のひとつになるでしょう。※8
※7 栄光ゼミナール.中学受験の学校選び 私立中学のメリットとは?
【メリットその3】同学力の仲間とともに学べる
中学受験を経て入学した中高一貫校では、その学校の難易度に沿った学力の生徒が集まります。塾のクラス分けのように、自分と近い学力の仲間が一か所に集っているということです。
そのような環境で切磋琢磨できる6年間は、子どもにとっても大いに刺激になり、向上心や学習意欲を培えるでしょう。※9
※9 現代ビジネス.「限りなくフェア」な世界、中学受験。子どもの志望校選びのために保護者ができること(矢野 耕平) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)
【メリットその4】授業進度も早く大学受験をめざした学習ができる
中高一貫校では、大学進学を見据えて、高校2年生の段階で、高校までの範囲を履修する傾向があります。
履修の進度を早めることで、大学受験の準備に余裕を持たせる効果を期待できます。※10
また、授業前や放課後に補習を行うなど、手厚い学習サポートを行っている学校もあります。
学校選びの際には、学習サポートについても確認してみると良いでしょう。※11
※10 栄光ゼミナール.中学受験か高校受験で迷ったときに。保護者が知っておくべきポイント
※11 インターエデュ.手厚い学習サポートで伸びる! 「塾なしで国立大合格した秘訣」を保護者が語る
【メリットその5】友だちとの結束が固くなる
中高一貫校では、6年間同じ学校に通い続けるため、他の学校に比べて、同学年と触れ合う時間が長くなります。
触れ合う時間が長い分、友だちとの関係が深まることもあるでしょう。
中学・高校時代にできた友だちとのつながりは卒業後も比較的強く、卒業して成人になってからも、人生における大切な友人となり得る可能性があります。※12
※12 現代ビジネス.「限りなくフェア」な世界、中学受験。子どもの志望校選びのために保護者ができること(矢野 耕平)|現代ビジネス|講談社(1/3)
国立、公立の中高一貫校におけるメリット
国立や都立、県立といった公立の中高一貫校には、独自のメリットもあります。
メリット1:6年間の学費は私立の半分以下
国立や公立の最大のメリットは、私立に比べて学費が安い点です。
子どもが大学を卒業するまでにかかる教育費は、一人に約965万円(2020年 日本政策金融公庫による調査)かかると言われています。※13
公立の中でも、都立の中高一貫校に進学した場合にかかる学費は、6年間で約350万円~390万円。
私立の1000万円前後と比較すれば、半額以下です。
なお、国立や公立と私立では、受験料も異なります。
私立が4教科で2万円~3万円するのに対し、都立は2,200円というデータもあります。※14
※13 リセマム.大学卒業までの教育費は965.1万円…前年比26万円増
※14 ベネッセ.中高一貫校に通わせたい 6年間にかかる費用とそのリアル
メリット2:私立とは異なる特色を持つ学校
近年、公立の中高一貫校は、私立とは異なる「適性検査型」と呼ばれる入試を行っています。
適性検査型の特徴は、教科横断型の記述式問題です。
膨大な知識を必要とする私立中学の試験とは異なり、読解力や思考力、表現力などが複合的に求められます。※15
また、理数教育に注力する「SSH(スーパーサイエンスハイスクール)」やICTを活用しながら海外大学と連携して国際教育を行うなど、教育に特色のある学校もあります。
ただし、国立や公立の中高一貫校は、試験日がすべて同一です。一校しか受けられず、併願できないため、注意しましょう。
※15 栄光ゼミナール.公立中高一貫校とは?適性検査の内容と私立との違い
中高一貫校のデメリットは「気のゆるみ」!
これまで中高一貫校についてメリットを挙げてきましたが、一貫校ゆえのデメリットもあります。
よくあるケースとして挙げられるのが、中学受験を頑張りすぎた反動で、中学入学以降にだらけてしまったり、やる気を失ってしまったりすることです。
「小学校で遊べなかった分、中学に入って勉強をしなくなる」「合格というゴールに到達して燃え尽きてしまう」など、さまざまな例が報告されています。※16
中学受験をする際には、「入学後のモチベーションをいかに保ち続けるか」ということもあわせて、考えていく必要があるでしょう。※17
※16 EduA.難関中に入学後、全く勉強しない 大学受験までやる気を保つには
※17 PRESIDENT Online.なぜ入学時の順位と大学進学実績は異なるのか.中学から成績ガタ落ち生徒の共通点
まとめ ~まずはいろいろな学校を見てみましょう~
今回ご紹介したように、「中高一貫校」といっても、多種多様な学校があります。
現在は、多くの学校行事が中止となっている関係で、学校の雰囲気を直接見ることが難しい状況です。
しかし、教師や生徒が学校の様子を紹介するYouTube動画や、オンラインによる学校説明会などを活用すれば、学校の雰囲気を確認できるでしょう。
中学受験を検討している方は、様々な方法で学校の雰囲気を確認して、「ここに行きたい、学びたい」と思える学校を探してみることをおすすめします。
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