大学受験で、第一志望に合格するためには、どうすれば良いでしょうか?
受験生の中には、睡眠時間を削って勉強している方もいるかもしれませんが、それではかえって効率が悪くなってしまいます。
ここでは、受験生にとって睡眠が大切な理由のほか、受験期に意識したい「必要な睡眠時間」と「睡眠の質を高める方法」についてご紹介します。
睡眠について
睡眠リズムは、身体の自律神経やホルモンなどの様々な生体機能が影響して成り立っており、「レム睡眠」「ノンレム睡眠」の2つのサイクルがあります。
睡眠の前半では、眼球運動を伴わず、大脳を休息させて機能回復を図るノンレム睡眠が多く出現します。
後半に入ると、眼球運動を伴うレム睡眠が多く出現して、覚醒への準備をするのです。
2つのサイクルは約90分周期で変動して、睡眠によって体を休めながらも、朝になるとすっきりと目覚めるように準備を整えています。※1
※1 厚生労働省.生活習慣病予防のための健康情報サイトe-ヘルスネット.眠りのメカニズム
睡眠と記憶
ノンレム睡眠には、新たな記憶を固定するための準備と、記憶を固定する働きがあります。
記憶を固定する働きは手続き記憶と呼ばれ、「自転車に乗る」「楽器の演奏をする」など、同じような経験の繰り返しにより獲得される記憶です。
一方、レム睡眠には「いつ」「どこで」「何があったか」というエピソード記憶の固定や、必要な時に思い出すための記憶の紐づけをする働きがあります。
エピソード記憶とは、例えば「〇〇先生が、古文を一所懸命に解説していたら、教壇で転びそうになった」といった印象に残っている記憶のことです。
このように、記憶の固定には、レム睡眠とノンレム睡眠の2つのサイクルが不可欠です。
短い睡眠ではレム睡眠とノンレム睡眠が十分に繰り返されないため、記憶の固定をするためには、6時間以上の睡眠をおすすめします。
仮に、記憶の固定ができなければ、せっかく勉強して覚えたことであっても、本番のテストで思い出せなくなるおそれがあります。
そのため、勉強のスケジュールを立てる際には、必要な睡眠時間も考えましょう。※2,※3
※3 睡眠と記憶、認知機能.栗山健一.日本生物学的精神医学会誌22巻3号:151-157,2011.
睡眠不足と体調管理
睡眠が影響しているのは、記憶だけではありません。
睡眠不足に陥ると、勉強だけでなく日常生活そのものに影響することが分かっています。
例えば、集中力が低下し勉強効率が落ちたり、精神的に不安定になりイライラしたり、免疫機能に悪影響を及ぼし風邪をひきやすくなる、ということが報告されています。※4,※5
大切な試験の日に体調を崩さないためにも、十分な睡眠時間を摂りましょう。
※4 睡眠と免疫の不思議な関係.化学と生物vo42:322-323,2004.
※5 睡眠障害の社会生活に及ぼす影響.駒出陽子.井上雄一.Jap J Psychosom Med47:785−791,2007.
高校生に必要な睡眠量はどのくらいか
日本の大学を受験する受験生の平均睡眠時間は5.81時間で、受験勉強を始める前に比べて、平均2.57時間の睡眠時間が減少していると報告されています。
睡眠周期を考えると最低限6時間以上の睡眠が望ましいことから、必要な睡眠時間を確保できていない状況だと言えます。※6
なお、米国立睡眠財団が2015年に発表したガイドラインによれば、理想的な睡眠時間は、14~17歳で8~10時間、18〜25歳で7〜9時間です。※7
それだけの睡眠時間を確保できない方でも、睡眠周期を考慮して、最低限6時間以上の睡眠を取ることをおすすめします。
※6 受験生&保護者 300 名に聞いた「受験生活と健康」に関するアンケート .江崎グリコ株式会社,2014.
※7 国立睡眠財団.年齢別に必要と考えられている睡眠時間表,2021.
質の良い睡眠をとるには?
適切な睡眠時間があるとわかっても、時間配分に難しさを感じている受験生も多いのではないでしょうか。
睡眠を取る上では、睡眠時間という量を増やす考え方だけではなく、睡眠の質を高めるという考え方も重要です。
そこで、質の良い睡眠をとる方法について紹介していきます。
【対策その1】就寝前のブルーライトをカットする
ブルーライトには覚醒や体内時計のリセットという重要な役割がありますが、一方で、夜間に浴びると睡眠の質を下げるおそれがあります。※8
パソコンやスマートフォンの光にはブルーライトが含まれているため、寝る前にはできるだけ液晶画面を見続ける時間を減らしましょう。
それにより、睡眠の質の低下を避けられる可能性があります。
なお、日中は、ブルーライトを避ける必要はありません。
【対策その2】入浴(体をあたためて)してから睡眠
お風呂に入るタイミングとお湯の温度、入浴時間を意識することで、睡眠の質を高められる効果があります。
脳の温度が低下する時に睡眠しやすくなるため、就寝前に体温を一時的に上げることがポイントです。
体温の上昇が0.5度程度でも寝付きが良くなると言われています。
快眠を得るには、就寝の2時間~3時間前に38度のぬるめのお湯に25分〜30分ほど入浴することがおすすめです。※9
お風呂に入る余裕がない場合は、軽いシャワーや足湯も良いでしょう。
※9 厚生労働省.生活習慣病予防のための健康情報サイトe-ヘルスネット.快眠と生活習慣
【対策その3】朝型の生活リズムを作る
睡眠習慣の確立と改善のために、早起き(朝型の生活)を心がけましょう。
とはいえ、いきなり朝型の生活に切り替えるのは難しいという方も多いと思いますので、無理せず一歩ずつ取り組むことが大切です。
例えば、朝にカーテンを開けて光や風を入れる、目覚まし時計を手の届かない場所に置く、嗅覚を刺激するために朝ご飯を食べるなど、できることから始めてみましょう。※10
まとめ 睡眠を制する者は受験を制する
記憶の固定や体調管理のために、睡眠はとても重要です。
何かと忙しい受験生の中には、睡眠時間を確保するのが難しい方もいるでしょう。
理想な睡眠時間は7時間〜10時間ですが、最低でも、6時間以上の睡眠を確保しましょう。
また、時間だけでなく、睡眠の質にも注目して過ごしてみてください。
睡眠の質を高めるためには、次の方法があります。
・就寝前のブルーライトをカット
・入浴(体をあたためて)してから睡眠
・朝型生活リズムを作る
受験期は、睡眠にも気を遣うことで、志望校合格に近づきます。
自宅での勉強の質を高めるには?
コロナによって大幅に増えた自宅での勉強時間。
毎日の勉強の質を高めるために、勉強前や勉強中に手軽に摂ることができる「サプリメント」を活用するという人も増えているようです。
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