中学受験における作文で見られている点は以下の3点です。※1
①作文のルールをきちんと押さえているか。
段落の1字下げといった作文作成のルールが守られているかどうかをまず押さえましょう。
また、自分の主張を述べる論作文形式であることが多いので、主張→理由付け・説明→結論という形式に則って書けているかは重要なポイントです。
②客観的な視点で文章を書けているか。
作文にも種類がありますが、中学受験の作文は読書感想文のように感想を書くものではありません。
誰かに読まれることを想定し、自分の体験であったとしても客観的に捉えて表現する力が必要です。
③自分の意見がきちんと書けているか。
一番重要な点は、自分の主張を論理的に展開できているかです。
一方的なものではなく、反論などを想定した上で主張に対する根拠を示すことが必要となってきます。
この記事では、中学受験における作文の作り方について詳しく解説していますのでぜひ参考にしてみてください。
※1 中学受験情報局『かしこい塾の使い方』.【中学受験の作文対策】書き方や評価ポイントを専門家が伝授!
最低限押さえておきたい作文作成の基礎知識と勉強法
正しい作文を作成するためには、作文の書き方やルール、それに沿った勉強法を知る必要があります。
間違った勉強法をしていては、いつまでたっても上達しません。
まずは、基本ステップについて見ていきましょう。
【基礎ステップ①】作文作成の基本ルール
まずは用紙の使い方を押さえましょう。
主に原稿用紙が用いられることが多いのですが、レポート用紙に記入するケースもあります。
基本的に題名や氏名を書かずに一行目から始めます。
およそ100文字〜200文字を目安として段落を分けます。
また、作文のテーマは多岐にわたります。
主なテーマは以下の通りです。
・身近な題材(休日の過ごし方など)
・ニュースや時事問題
・自分の思い出や経験談について
・将来の夢や志について
・コミュニケーション関係
・用語や言葉の説明
・漢字やことわざの説明
さまざまなものを説明するテーマもありますが、自分の経験を踏まえて書くものや自分の考えを述べるものがあります。
ニュースや時事問題の場合、メリット・デメリットを区別して書くものや、賛成・反対を選択し、自分の主張を説明するものがあります。
テーマはパターン化しているので、受験校の過去問などで傾向をみておくと良いでしょう。※2
※2 学習法指導塾PHI.作文のテーマ一覧:中高一貫、高校受験対策用
【基礎ステップ②】文章を書くことに慣れる
ある程度傾向が分かったら、実際に文章を書く練習に入りましょう。
ただし、いきなり本番のように長文を書くのは誰でも難しいものです。
まずは作文力を磨くために短い文章を書く練習をしましょう。
おすすめなのは、毎日1行で良いので日記を書いてみることです。
文章を書くことが習慣となれば、書くことに苦手意識をもたずに取り組むことができます。
作文のテーマの多くは、自分の意見を書くことが多いです。
したがって文章を書くことに慣れたら、自分が経験したことを知り得た情報に対して、「自分がどう思ったか」を意識するようにしましょう。※3
文章で書くのが難しければ、家族で話し合ってみるのもおすすめです。
話し合いをする中で、分からないと思ったことは調べる癖をつけておくと、作文に必要な知識や社会で起きていることを養うことができるでしょう。
※3 TIPS浜学園情報.日々少しずつ作文力を。「作文力貯金」のすすめ
【基礎ステップ③】基本的な型で書く練習をする
文章を書くことに慣れてきたら、いよいよ作文を書く練習に入りましょう。
ただし、中学受験で期待されている作文は、ただダラダラを文章を書けば良いわけではありません。
合格できる作文には特徴があり、まずはそういった作文の基本は型を押さえているかどうかです。
作文の型通りに書くことで、合格に一歩近づくことができます。
作文の型は主に2種類あります。
①二部構成
作文の基本的な型の一つで、全体の文章量が少ない時に使うのが効果的です。
構成を以下のように二部に分けて書きます。
第一部:まず結論を書く。自分の意見や主張をはっきり示す。
第二部:第一部で書いた意見や主張に対し、その理由や根拠を説明する。具体例などを示す。
②四部構成
いわゆる起承転結と呼ばれる一般的な小論文の書き方です。
300文字以上の文章量が多い時に使うことになります。
第一部:まずは聞かれていることに対して、自分の意見などを最初に示す。全体の分量の2割以下にとどめる。
第二部:第一部で自分の意見を示した場合、それに対して想定される反対意見などを示して自分の立場を明確にする。
第三部:第二部を受けて、さらに自分の意見や主張に対して理由を具体例を示して強調する。
第四部:最後にもう一度自分の意見をまとめる。文章全体の1割程度にとどめる。
まずはこうした基本的な型に合わせて作文を書くようにしましょう。
作文の中でより独自性を出すのは、基本を押さえてからで大丈夫です。※4
中学入試でライバルに差をつける作文術を習得するには?
基本的な型で書かれた作文は及第点です。
ここからライバルに差をつけるにはどうするかを以下に詳しくご説明します。
【応用ステップ①】テーマ別で書く練習をする。
上記で示した通り、作文のテーマは複数にわたります。
各テーマごとに対策をしておくのがおすすめですが、それぞれのテーマに対して以下のことを意識する癖をつけましょう。※5
・テーマは何か。
・関連キーワードは何か。
・問題点はどこか。
・利点はどこか。
・自分の主張は何か。
こうした視点を総合し、利点と欠点の両方の視点を盛り込む文章を作るようにしましょう。
自分の視点に固執せずに、色々な人から見た視点で書くことで差別化することができます。
【応用ステップ②】正しい文章か、見直せるようになる
そして見逃しがちなのが、作文を完成するためにきちんと見直せるかどうかはとても重要です。小学生に求められる作文力は文章の構成がきちんと書けているかといったことも大事ですが、誤字脱字や接続詞のミスなどは必ず減点されます。
常に誰かに読まれる文章であることを意識し、自分で文章を見直してミスを最小限に防ぎましょう。※6
【応用ステップ③】中学入試を意識した作文を作成してみる
なかなか筆が進まないテーマに出会ったら、その時はお手本を真似してみましょう。
模範解答を見てから書くことで、「自分ならどう書くか」とより論理的に考えながら作文の練習ができます。※7
より自分の意見に説得力を持たせるためにも、他人が書いたものに触れておくのも重要です。
※7 中学受験ナビ.「型」と「お手本」を学べば書けるようになる。苦手を克服するための作文のルールとは?
「1分間スピーチ」も効果的
先ほど自分の考えをまとめるために家族で話し合うのがおすすめと書きました。
より作文力を伸ばすためには、1分間スピーチを実践してみましょう。
スピーチのために内容を書き出し、準備をしてから1分間のスピーチを行います。
重要なのは、スピーチの後に家族間で質問したり意見を出したりすることです。
話し合いながらスピーチの量や表現を見直していきます。
文章を一緒に整えていくことで、親子のコミュニケーションも深まります。※8
※8 中学受験ナビ.公立中高一貫校受検対策!「1分間スピーチ」で作文力を鍛えよう
まとめ
作文は、論理的に考え、その考えを客観的な文章として表現できるかどうかが重要です。
作文のルールや型はしっかりを押さえておくのは基本中の基本です。
その上で、オリジナリティがあることが求められます。
日頃からニュースや時事問題に関心をもち、知識や経験を積み重ねておくことでさまざまなテーマにも幅広く対応できる力が身に付きます。
運営者情報
- 運営会社
- キリンホールディングス株式会社
- 住所
- 〒164-0001
東京都中野区中野4丁目10番2号
中野セントラルパークサウス
- お問い合わせ
- 0120-569-056
中央校