「自分ってうつかな?」と感じる高3生へ、原因とその症状についてご紹介

大学受験は人生において大きなターニングポイントの一つです。
そのストレスやプレッシャーから本来の集中力やモチベーションが保てず、実力を発揮できないことがあります。そのような状態のことを「受験うつ」と呼びます。このコラムでは「受験うつ」についてご紹介しますので、「自分も受験うつかも」と思う方はぜひ参考にしてください。


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この記事の監修者

伊藤 たえ医師

脳神経外科、脳卒中専門医として、都内クリニックにて脳ドック、頭痛、頭部外傷、脳卒中などの診療に励む。 仕事も育児もがんばるママさん女医。

「受験うつ」とは?

受験うつは、現在自分が置かれる環境、真面目で几帳面な性格、遺伝、体の状態などの複数の原因が重なって発生するもので、誰にでも起こる可能性があります。
みられる症状としては、やる気のなさや集中力の低下だけでなく、体のだるさ、頭痛などの症状もみられ、症状の程度は日常生活を送れるぐらいの軽いものから起き上がることさえもできない重度のものまでさまざまです。

特に受験期は「周りからのプレッシャー」「なかなか思い通りの結果が出ない」「周りの友達との差を感じる」など、ストレスを受けやすい時期で、その時期に受けるさまざまなストレスが引き金となって起こる心や体の症状のことを「受験うつ」と呼びます。※1

※1 うつ予防ナビ.受験うつとは?

「受験うつ」のタイプとその原因

受験うつは原因とその症状によって主に「プレッシャー型」「モチベーション喪失型」「比較・競争型」の3つのタイプに分けられます。それぞれのタイプと特徴について詳しく見ていきましょう。※2

※2 新宿ストレスクリニック.受験期のストレス(受験うつ)

プレッシャー型

プレッシャー型受験うつは、家族、先生などの身近な人から過度の期待を受けることがきっかけとなります。
「イライラする」「家族や先生に反抗的な態度をとってしまう」「気持ちを穏やかに保てない」「我慢できずに怒りを爆発させてしまう」などの症状がみられ、「今の状況から逃げ出したい」「救ってほしい」という気持ちから、最悪の場合「家出をしたい」という思いに駆られることもあります。※1,※2

モチベーション喪失型

モチベーション喪失型受験うつは、受験勉強が自分の思いどおりに進まず、勉強をするモチベーションがなくなったり、合格する自信が無くなったりします。「自分は価値がない人間だ」と思いこんだり、「自分が嫌になる」「失敗することをひどく恐れる」など、ネガティブな思考にとらわれてしまうのが特徴です。
なかには、以前のように勉強ができなくなり、成績が下がってさらに落ち込むという負のスパイラルに陥って、学校へ行きにくくなってしまうこともあります。※1 ※2

比較・競争型

比較・競争型受験うつは、周りの友達やライバルと自分自身を比べて「自分は周りよりもできていない」と劣等感を感じることをきっかけに発症します。一般的なうつの場合、友達との交流を避けるようになることが多いですが、高校生の場合、すべての友達と交流を断ち切るケースは少なく、数人の友達とは付き合いを保つことが一般的です。しかし、ストレスから逃れるためにインターネットに執着し、周りから孤立して症状が悪くなっていくケースもあります。※1 ※2

こんな症状がみられたらうつかも?うつ度チェック

大人のうつの場合、気分の落ち込みや悲しみ、無関心などがその主な症状としてあげられます。
それに対して、小中高生のうつの場合、イライラが中心の症状となるほか、周囲に過敏に反応しやすくなるなどの症状がみられます。※3

受験うつでは心と体の両方に症状がみられ、放っておくと症状が深刻になることもあります。次に示す心と体の症状に該当する項目があり、受験勉強や日常生活がうまくいかないと感じる方はご両親や先生に相談することをおすすめします。

※3 総合南東北病院.気になる子どもの心の病気

心の症状のチェックリスト

受験うつでは次のような心の症状がみられます。当てはまるものがあるかチェックしてみましょう。

・イライラする、怒りっぽくなる
・自分に自信がないと感じる
・些細なことでひどく傷つく
・不安が大きい
・周りに不信感を抱く
・孤立していると感じる
・ひどく焦る
・勉強に集中できない、集中力が続かない
・文章が頭に入らない
・成績が急激に下った
・マイナス思考になる・ケアレスミスが多くなった
・落ち着かない
・テストのときに過剰に緊張する
・テスト本番で実力を発揮できない
※1 ※2 ※4 ※5

※4 受験生と心療内科.ストレスを抱える受験生への心療内科的対応.富田吉敏.菊地裕絵.安藤哲也.日本心身医学会57:849-855, 2017.

※5 BRAIN CLINIC. 受験うつとは?症状や診断、治療方法、親のサポートについて精神科医が解説

体の症状のチェックリスト

受験うつでは次のような体の症状がみられます。心の症状と合わせて当てはまるものがないかチェックしてみましょう。

・夜によく眠れず、朝起きられない
・眠り過ぎてしまう
・遅刻・欠席が多くなった
・頭痛がする
・体がだるい
・吐き気がする
・食欲がない、もしくは食べ過ぎてしまう
・過剰に疲れる
・日中、眠くなる
・テスト本番で体調不良を起こす
・スマホやネットに依存してしまう

このような場合もうつの可能性あり。受験生に多い「新型うつ」とは?

受験うつ以外にも、若い人に多くみられるうつの一つに、「新型うつ」というものがあります。
新型うつという名称はメディアがつけた通称で「新型うつ病」という名称の病気があるわけではありません。
現代に起こるさまざまなストレスによって発症し、本格的なうつ病とは診断されないものの、軽いうつ病といえるような症状がみられ、若い世代に多いのが特徴です。発達障害や性格の偏り、未熟さを持っている場合もあります。

新型うつでは以下のような症状や特徴がみられます。うつ病のように常に気分が落ち込んで沈んでいるわけではなくても、下記のような症状に当てはまる場合は、新型うつの可能性もあります。これらの症状で悩んでいる場合もご両親や先生への相談をおすすめします。

・勉強などのストレスとなる場では不調がみられるが、休みの日は元気になる
・食べ過ぎる傾向にある
・眠り過ぎてしまう
・自分の失敗を周りの人や環境のせいにしてしまう
・気分の変動が大きい、気分のコントロールができない
※6 ※7 ※8

※6 日本うつ病学会.うつ病Q&A

※7 公立学校共済組合.関東中央病院.「現代型うつ病」と“新型うつ病”

※8 中野区医師会.「新型うつ病」って何?

まとめ

受験期はこれまでの環境とは異なり、受けるストレスも大きくなります。
環境の変化やストレス、その他のさまざまな要因によって、うつは誰にでも起こり得ます。
うつは、悲しみや気分の落ち込みなどの症状が一般的なイメージとして多く持たれていますが、高3生では怒りっぽくなる、イライラする症状がみられやすく、受験や勉強に関係する時のみ症状が出て、休みの日は元気というパターンもあります。

「受験勉強がはかどらない」「気持ちがイライラする」「集中力が続かない」など、「何だかうまくいかない」と感じる時には我慢をせずに保護者や学校の先生、スクールカウンセラーなど、まずは身近な人に相談してみましょう。

自宅での勉強の質を高めるには?

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