朝食がお子さんに与える効果とは?医学的な観点からご紹介!

朝食はお子さんの勉強に大切であるとよく言われますが、実は医学的にも朝食は学力向上などの効果があることがわかっています。
ただ単に朝食を取ればいいのではなく、医学的な視点で朝食メニューを考えなければ朝食の効果を十分に得ることができません。
そこで、この記事ではお子さんの学力向上のための朝食について、医学的な観点からご紹介していきます。


今野 裕之

この記事の監修者

今野 裕之医師

精神科、心療内科医、認知症診療医

ブレインケアクリニック名誉院長 ・一般社団法人日本ブレインケア・認知症予防研究所所長
順天堂大学大学院卒業。老化予防・認知症予防に関する研究で博士号を取得。大学病院や精神科病院での診療を経て2016年にブレインケアクリニック開院。各種精神疾患や認知症の予防・治療に栄養療法やリコード法を取り入れ、一人ひとりの患者に合わせた診療に当たる。認知症予防医療の普及・啓発活動のため2018年に日本ブレインケア・認知症予防研究所を設立。 著書・監修に「最新栄養医学でわかった! ボケない人の最強の食事術(青春出版社)」など。

「子供×朝食」に関するデータ

農林水産省の最新の食育白書(2019年度)によれば、一時期は減少傾向がみられたものの、近年は2018年を除き、小学生が7%台、中学生が8~9%台で横ばい傾向となっています。※1

一方で、朝食をとらないことによって学力に悪影響が出ることが、東北大学加齢医学研究所と農林水産省の共同調査により判明しました。
それによれば「朝食をほぼ毎日取り続けた子ども」たちの半数以上が第1希望の大学に入学できていることがわかりました。※2

このことから、朝食習慣はお子さんの学力に重要であることがわかります。

※1 農林水産省.食育白書(2019年度)

※2 東北大学加齢医学研究所.大学生 400 名・ビジネスマン 500 名を対象にした 「朝ごはんに関する意識と実態調査」を実施 朝ごはんを食べる習慣と、 人生を成功に導くこととの関連性が明らかに

朝食の役割

朝食の役割
朝食を取ることにより、お子さんの体の基礎がしっかりとしたものになり、これは結果的に学力向上につながります。
ここでは、朝食が具体的にお子さんの学力や健康にどのように重要なのか具体的に詳しく解説していきます。

【朝食の役割その1】脳にエネルギーを供給する

臓器の中で最も多くのエネルギーを必要としているのは、脳であることがわかっています。

脳がその力を十分発揮してお子さんが勉強に集中するためには、脳に十分なエネルギーを供給する必要があります。
その重要なエネルギー源となるのが「ブドウ糖」です。※3

ブドウ糖は、食事で摂取したご飯やパンなどの炭水化物が分解され、小腸で吸収されることで摂取できます。
小腸で吸収されたブドウ糖が血糖値として全身を巡り、脳などに供給されます。
その日の勉強を捗らせるためには、朝食にご飯やパンを食べて、脳にブドウ糖を供給することが重要です。

しかし、主食だけで食事を済ませたり、お菓子やジュースしか食べなかったりすると、血糖値が不安定になり、かえって頭が働かなくなることがあります。
朝食にはご飯・パンだけでなくおかずもきちんと食べるようにすると血糖値の急激な上昇が抑えられ安定しやすくなります。

※3 農林水産省.朝ごはんを食べないと?

【朝食の役割その2】体温を上げる効果

就寝時、私たちの体は活動量が低下させるために、体温を低下させます。

起床後に朝食を食べることで、就寝時に低下した体温を再び上昇させることができ、体や脳の活動を活発化させることができます。※4

学校の授業は一時間目からはじまります。
朝から元気よく活動するためにも、朝食を食べて体温を上昇させ、効率よく学習できるようにしましょう。

※4 文部科学省.生活リズムの確立と朝食

【朝食の役割その3】生活リズムを整えてくれる

私たちの体は日中には活発ですが、夜は休息モードになります。
これを「体内時計」と呼びます。

健康的な生活を送るには、「体内時計」と実際の「生活リズム」がずれないように同期させることが重要です。
体内時計と生活リズムにズレが生じると、体にストレスがかかり、しっかりとした活動ができなくなってしまいます。※5

その結果、勉強に集中することも難しくなってきます。

朝食をしっかり取れば、体はスイッチが入って活発モードに切り替わり、体内時計と生活リズムが同期し、お子さんが一日を元気に過ごせるようになります。

※5 農林水産省.子どもの食育

朝食を抜くとどうなるか?

では、朝食を抜くとどのような悪影響が出るのでしょうか?

朝食を食べなければ、脳に供給されるブドウ糖が不足し、集中力が低下します。※6
加えて、体温が低い状態が長く続くので、活動量が低下し体調が悪くなりやすくなってしまいます。
結果として、お子さんの学力だけでなく、お子さんの健康や成長にも悪影響が出てしまうでしょう。

したがって、お子さんの健康的な生活と学力向上のために、しっかりと朝食をとることが重要です。

※6 農林水産省.朝ごはんを食べないと?

効果的な朝食には3大栄養素を意識した食事を取ろう

3大栄養素
朝食にはどのようなものを食べたら良いのでしょうか?

例えば、ご飯だけではバランスに欠いてしまいます。
ご飯には炭水化物が多く、消化によりブドウ糖が吸収できるため、脳へブドウ糖が供給されますが、栄養としてはそれだけでは不十分です。
ご飯などの炭水化物に加えて、タンパク質や脂質の栄養素をバランスよく摂取することが理想的です。※7

そこで、これらの3大栄養素(炭水化物、タンパク質および脂質)について以下に詳しく解説していきます。

※7 Hugkum.子どもの脳は「朝ごはん」で決まります!欠かさず摂りたい3大栄養素を育脳ごはんのパイオニアが教えます!

炭水化物

ブドウ糖などの糖類で構成されているものが炭水化物です。
炭水化物はパンやご飯等の主食に多く含まれていますが、朝食にはパンとお米どちらがいいのでしょうか?

その疑問に応えるために、脳科学者の川島隆太教授(東北大学)が、「主食にパンを食べている子ども」と「主食にお米を食べている子ども」の脳を比較する調査を行いました。
その結果、「主食にお米を食べている子ども」の方が、脳神経細胞がたくさん詰まっている脳の灰白質が大きいことが分かりました。※8

川島教授はその要因としてご飯の方がパンよりも血糖値が上がりにくいということを指摘しています。
この調査に基づくと、子どもの脳の成長には、朝食にはなるべくお米を食べるのが良いと考えられます。

※8 週刊女性PRIME.あの“脳トレ”の川島隆太教授が力説!脳を見てわかった「頭のよい子の朝食、教えます」

タンパク質

私たちの体の15〜20%はタンパク質でできています。
具体的には、筋肉や免疫、皮膚などの重要な体の組織が、タンパク質によって作られています。※9
脳細胞もタンパク質によって作られていますし、神経が正常に働くためにもタンパク質が不可欠です。
そのため、育ち盛りのお子さんの体づくりにおいて、タンパク質は非常に重要と言えるでしょう。

特に、身体の成長や健康に必要な必須アミノ酸は、タンパク質からしか摂取できないため、日々の食事で摂取することが重要です。
タンパク質を多く含む食材には、魚や肉、大豆、卵、乳製品などがあげられます。

食欲がない朝でも、ヨーグルトなどの乳製品や卵、納豆など簡単に食べられるものを活用してタンパク質をとるようにしましょう。

※9 e-ヘルスネット.たんぱく質(たんぱくしつ)

脂質

脂質は、タンパク質よりもエネルギー効率が高く、肥満などを気にして控えている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、ホルモンや細胞膜などの材料になる、脂肪として体に蓄積され、体温を保持する、脂溶性ビタミン(ビタミンA、D、E、K)の吸収を促すなどの効果もあり、育ち盛りのお子さんの体を形成する上で非常に重要な栄養です。※10

脂質が多く含まれている食べ物として、肉や魚、豆、乳製品があります。
特に健康のためには青魚などに含まれる脂質であるオメガ3脂肪酸が重要です。
オメガ3脂肪酸には、脂肪の合成を抑える、炎症やアレルギーを抑える、神経細胞の働きを良くする、血液をサラサラにするなどの働きがあります。
そのため、朝食に焼き魚やツナ缶等の缶詰を採り入れてはいかがでしょうか。※11
特にツナ缶は調理の必要がなく、サラダなどと混ぜるだけで美味しく食べることができるので、忙しい朝には向いています。

※10 健康長寿ネット.三大栄養素の脂質の働きと1日の摂取量

※11 ヘルスUP日経Gooday30+.脂肪をためにくい青魚 食べるなら朝食、夕食どっち?

まとめ

朝食を抜くとどうなるか?
今回は朝食がお子さんにもたらす効果について、医学的な観点を交えて解説してきました。
きちんした朝食を取ることで、お子さんの1日の学習効率がより良くなります。
また栄養バランスがとれた朝食をとることは、お子さんの学力向上だけでなく体の成長にも重要です。
この記事で紹介した内容を参考に、毎日の朝食を充実したものにしてくださいね。

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