2022. 11. 04 09:31

熟成ホップは中高生の「社会接続」に役立つことが出来たのか? N/S高・N中等部 × INHOP「商品化プロジェクト」振り返り対談 <第3回>

INHOP Journal

2021年夏にINHOPと角川ドワンゴ学園で実施した、体験型学習プログラム「デザイン商品化チャレンジ」について、
お力添えをいただいた角川ドワンゴ学園経験学習部のお二人に、色々なお話をお伺いしました。
第3回は、プロジェクトにおける「熟成ホップ」という題材についてです。

金子:
さきほどは生徒の社会接続という話をしましたが、我々INHOPとしては、熟成ホップを社会接続したいなと(笑)。ホップの可能性を広げるためにも、ホップに携わる機会を多くの方に作っていきたいという想いがあるんですが、お酒を飲まない方や未成年の方はホップに触れる機会がほとんどないですし、場合によっては「アルコールなんじゃないの」とか「触っちゃいけないんでしょう」みたいなイメージを持たれていたりします。それもあって学生の皆様に対して「こういった素材があるんですよ」「こういったことができるんですよ」というのを知っていただく機会を何かしら作っていきたいなと思っていたところはあります。

INHOP代表取締役:金子裕司

園:
このホップの可能性というところで凄い思ったのが、今回、中高生が参加させていただいてる映像をずっと見てたんですけど、彼らの変化みたいなところが素晴らしくて、ある意味そのホップの可能性もそうなんだけど、中学生とか高校生の可能性も広げていただけたなというのを、ひしひしと感じています。多分きっとホップに対する認識とかも大きく変わったんじゃないかなと思いますね。

平岡:
学習として得て欲しいものはデザインスキルやパッケージデザインについての学びでしたが、プログラムを通してホップというものに対する知識が深まったりイメージが変わったりというのは、生徒たちにも起こっていると思います。

また、生徒を周りで支えていただいている保護者の皆さんや教職員も「ホップってこういう効能もあるんだ」と分かったのではないかなと思います。

角川ドワンゴ学園 経験学習部:平岡駿さん

金子:
我々としては熟成ホップを社会接続させたいという想いはあるんですけど、想いだけではなく、素材自体が学生の皆様であったり、親御さんや先生方にもお役に立てるのではないかと思って今回の題材として使わせていただきました。熟成ホップが持つ健康機能という意味でも、チャレンジしようとする、特に新しいことに頑張り続けようとする皆様にお役に立てるんじゃないか、と。

ただ、ホップそのものを触っていただく機会がなく、素材が入っているチョコレートのみを題材にしてしまったところは少し残念でした。でも逆にいきなり素材からアイデアを考えるとなるとハードルが上がってしまうので、これぐらいでよかったのかな、と思いながらやってみましが、どうでしたか?

平岡:
ホップという題材が今回テーマだったのは、個人的には面白かったなと思っています。学校の中で取り扱う題材って、生徒たちになじみのあるものを使うことが多いと思うんです。やっぱりそれはハードルを低くして、生徒に興味を持ってもらいやすくするという狙いがあるからです。

でも今回、ホップを知らなかった生徒が、もしかしたら普通の人よりもホップの知識が深くなったのかなと思いますし、もしかしたらホップのことを好きになって、いまでも調べている生徒もいるかもしれない。これまで馴染みがなかったからこそ、そういったことが生まれるかもしれないと個人的に思ったりします。もちろんさっきおっしゃっていた通り、実際ホップを手に取るとか、ホップの農園を見るみたいな体験があると、よりそういったところに近づいたのかもしれないという感覚はありますね。

ホップの鞠花

園:
今回はパッケージデザインや商品開発というプロジェクト型学習を行わせていただきましたが、例えばホップにどういう効能や効果があるのかについて、こういう風に検証していくんだというところを解説いただいたりとか、あるいは一緒に1ヶ月検証してみましょうというような体験学習があってもいいと思うんですよね。

どちらかと言うと理系の研究みたいな形だと思うんですが、実際に、何かやっているところを生徒と一緒に見学して、それを生徒がレポートに書いて他の団体などにシェアするということをやらせてもいいと思いますし、もっと色んな形の取り組みにすることで、ホップの可能性を、世の中や中高生に向けて発信することにつながるのではないかと思います。

角川ドワンゴ学園 経験学習部:園利一郎さん

平岡:
このプログラムでホップに興味を持ったとか、農業に興味を持ったとか、植物の歴史に興味を持ったといったように、ホップを通して学ぶという体験をすることで、いろんなところに派生していくことがあるだろうと思います。僕も数年前に見ていた生徒が、卒業後こういう進路を選んだんだというような、ちょっと驚きを感じることもたくさんあるので、何かそういうふうに広がりが生まれたらすごく嬉しいです。

金子:
生徒さんたちが将来、そういった道に進んだときの原体験の一つが「実はホップでした」となったら、我々としても嬉しいことですし、このような取り組みをこれから先も作っていければいいなと思いますので、今後もご一緒できる機会がありましたら、ぜひよろしくお願いします。

園、平岡:
こちらこそです。色々とありがとうございました!