2022. 10. 21 14:52

熟成ホップは中高生の「社会接続」に役立つことが出来たのか? N/S高・N中等部 × INHOP「商品化プロジェクト」振り返り対談 <第1回>

INHOP Journal

2021年夏にINHOPと角川ドワンゴ学園で実施した、体験型学習プログラム「デザイン商品化チャレンジ」について、
お力添えをいただいた角川ドワンゴ学園経験学習部のお二人に、色々なお話をお伺いしました。
第1回は、プログラムの実施についての振り返りです。

金子:
今回はこういったプログラムの機会をいただいてありがとうございました。元々我々INHOPとしてはホップの可能性を色々なところに広げていく、それで希望を作っていくということをミッションにしていますが、希望の作り方っていろんなあり方があると思っています。

我々が持っているアイテムであったり、もしくはビジネスを使っていくことで、何か一緒のチャレンジの機会を作っていけないかなと打診をさせていただき、こういう素敵な形になったのは本当に良かったなと思っていますが、実際に取り組みをご一緒できましたことについて、どう思われていますか?

INHOP代表取締役:金子裕司

平岡:
そうですね、本当にすごくありがたい機会だなと感じました。当学園の特徴として、多様な生徒がいることが挙げられます。その中には先生になりたい生徒や、一般企業に勤めたい生徒、自分で何か生業、仕事を作っていきたい生徒もいるだろうということは、私達も感じております。そういった中で今回お話をいただいたときに、商品開発やデザイン、マーケティングなどの文脈でご一緒できそうだというのが第一印象でした。

角川ドワンゴ学園 経験学習部:平岡駿さん

金子:
我々自身、特に私の場合ですと、 モノづくりや研究開発の経験が長いので、実際に形を作って実践していく、モノに仕上げていくというところは、うまく具現化したいなと思っていました。加えて弊社の場合、モノのデザインというか、単純に形を作るだけではなくて、それがどういう背景でデザインになっていって、誰に何をどう役立てていくのかということを体系立てて実践してメンバーもいます。この二つの要素を掛け算をしていくと、自分たち自身も知らない何かというものを、生み出せていけなるんじゃないかと。

平岡:
そうですね。当学園におけるプログラムの中でも、このプロジェクトはプロの皆さんが特に多く関わってくださった内容だったと思っています。色々な方々の色々な意見を聞くことで生徒たちの視点が広がり、最後のアウトプットの発想が広がったのかなと思います。ホップというものに対しての知識を深めることで発想が広がって、「魔術的」っていう言葉が出てきたり、仕事をサポートするために「ジョブ」という言葉をちゃんと伝えたいというイメージが湧いたりといったことですね。今回最優秀賞を受賞した生徒たちのほかにも、非常に幅の広いデザインになったというのは感じています。いろんな方が関わってくださったことが、生徒たちの成果物につながったのではないかと感じました。

金子:

実際、びっくりしました。「なんじゃこりゃ!」もちろんいい意味ですよ(笑)。デザインしたのは高校生中等生の皆さんですよね、と疑ったくらいです。商品デザインの経験もない、インプットや制作期間も非常に短い、なのにこれだけ多様で、そのまま使っていけるような完成度のものがたくさん出てきたことは、本当に驚きました。

生徒さん自身の雰囲気はどうだったでしょうか?モノを作ってデザインをして、という経験はあまりないものかと思いますが。

平岡:
すごく楽しそうにやっている生徒が多かったという印象があります。プログラムの時間以外も使ってどんどんデザインを作り込んでいって、「これどうですか?」と何回も聞く生徒がいたりとか、「もうちょっとこうした方がいいよ」というアドバイスに忠実に従って頑張って「こういう風にやってみました、どうですか?」と見せてくる生徒が多かった印象です。

我々としては、プログラムの中で完結できるように授業を設計していくことが大事だと思っているところではあるんですが、余白の部分があればあるほど広がっていくものだとも思います。それを授業の運営側である我々が強制するのではなく、生徒たちの主体性から出てきたというのが今回のプログラムの特徴だと思いました。

園:
実際のパッケージデザインまでを行い、それが商品として実際に世の中に流通するところまでいったこと、クラウドファンディングまで行ったことなど、実際に世の中に出すことを意識したうえで実現まで一緒にやっていただけたという点が、本当に貴重でありがたかったと思います。

角川ドワンゴ学園 経験学習部:園利一郎さん

今回はここまで。次回はN/S高・N中等部が教育という側面から大切に考えている、「生徒たちと社会との接続」をテーマにお話をお伺いします。お楽しみに!