2022. 02. 03 10:17

子ども向けサプリの開発に、キリン社内ベンチャーが挑んでみた

note

INHOP金子CEOが、自身のnoteに寄稿した「シンキングサプリ 受験力」の開発秘話。
自身の幼少期の体験を踏まえて、このサプリメントを世に出そうと思った背景や、
製品にする際にこだわったポイントなどを語っています。

「受験生って子どもでしょ?子どもってサプリ飲まないでしょ?」

仰る通り。大人でもサプリ飲む人は3割程度です。
まして子どもとなればもっと少ない。でも作ってしまいました。
感覚的ですが、飲んでいただけるお客様はいると確信していました。
だって、私自身が幼少期、相当サプリメントを飲んでた子でしたから。

というわけで発売したINHOP最初の商品の1つ。
シンキングサプリ「受験力」
キリン独自の健康素材「熟成ホップエキス」と「プラズマ乳酸菌」を配合した受験生向けのサプリメントで、リニューアルを経て弊社で最も販売されている主力商品です。

マーケティング視点で開発した商品ですが、今回は、受験力開発について技術者としてのこだわりを書いてみようと思います!
(マーケティング的な話は、また機会があれば)

何でサプリにしたの?(しなければいいのに)

「サプリ以外の商品形態(剤形)はないの?」
「子どもに飲んでもらうならサプリにしなければいいのに。」

この質問。ホントによく言われます。
ですので、まずはこちらの写真をご覧ください。

受験力1袋(15日分目安)に使用しているホップの量(ざっと缶ビール120本分)

この量のホップのエキスを、ギュッと1袋に濃縮しています。
これを毎日手軽に摂り続けられる商品形態にするには、サプリメント一択でした。ごめんなさい、私の力不足です。
プロダクトアウトの発想ですが、ここは割り切りました。

技術者としてはこれだけのホップを摂っていただきたい
でも、我慢して摂ってもらうのも宜しくない。そもそも継続できない。

なので、注力するべきは、子どもが摂りやすい/親が子どもに提供してもいいと思えるサプリメントにすること、でした。

幼少期の私とサプリメント

「あれ、開発の話は?」と言われそうですが、大丈夫です。
開発に関係しています。

自慢じゃないですが、私は子どもの頃、身体が弱い子でした。
大病とかにはかかりませんでしたが、風邪ひいて毎週病院に行くような子でした。だから親は大変だったと思いますし(改めて感謝です)、食事に気を遣ったり、マスクして寝たり、お灸据えたり、と色々やっていました。
その一環で、子ども時代にサプリメントを結構飲んでいました。

クロレラに始まり、香酢、プロポリス、ビタミンC、ビタミンB、マルチミネラル、乳酸菌、等など。多分10歳前後から大学入るまで、1日20粒くらいを飲み続けてました(粒数多いのはクロレラのせいです)。

自分が子どもの頃に飲んでいたサプリ量のイメージ。

なので、子どもがサプリメントを飲むことに抵抗がないですし、必要であれば自分の子どもにサプリメントを与えることも抵抗はありません(流石に4歳なのでまだあげてませんが)。

ただ、たくさん飲んできたからこそ、変なサプリにはしたくない。
こだわりたいポイントが幾つかあります。

開発時のこだわり(安心安全、小粒少量、風味)

①親御様が安心できる(安心・安全)

何はともあれ大前提がコレ。変なものは作れませんし、お出しできません。なので、製品品質がしっかりしている日本国内のGMP認定工場(Good Manufacturing Practice、製造管理及び品質管理の基準がしっかりできている工場)で製造するのは当然ですが、商品に使う原料の使用実績にも注目しました。

特に受験力の大部分を占める原料「熟成ホップエキス」。

2017年に開発したキリンの新素材ですが、まずキリンが商品に使うことを必須としていました。もし使ってなければ、「いい素材と言ってるのに、何でキリンで何で使わないの?何か問題があるの?」と親御様に不安を与えてしまう可能性がある。それは絶対に避けないといけなかったので、キリンで商品開発する⇒受験力を開発する、という流れにしました。キリンでの商品、発売できて良かった。
(余談ですが、キリンで作った商品は、発売15ヶ月で5,000万本販売されました。お客様のご愛顧にホント感謝です)

②粒を小さく、量は少なく

当たり前ですが、子どもの口は小さいです。なので、粒が大きいと飲みこむのが大変。また、1日20粒くらい飲んでた身ですが、たくさん飲むのは大変です。まず数えるのが大変。そして飲むのも大変。

だから、自分の経験からも、粒は小さく、そして量は少なくするのは必須でした。
一番ギュッと詰めれる錠剤タイプにし、サイズと粒数を鑑みて、7mm×5粒にしています。8mm×4粒もできたのですが、明らかに飲みにくくなったので、粒のサイズを優先しました。お客様からも「小粒で飲みやすい」というお声を頂けているので、こだわって良かったポイントです。

③少しでも飲みやすい風味に

大人であれば、「マズイ!もう1杯!!」というのもありですが、子どもには酷です。「マズイ!もういらない!」は避けるべきポイントです。

発売当初はお客様にホップらしさを感じてもらうため、ホップの風味を残していました。が、「慣れない味」「逆に飲みにくい」というお声が多く、我慢してお飲みいただく形になってしまいました。開発者として大反省です。

なのでリニューアル時には風味改良を優先し(でも小粒少量は譲らない)、ホップの風味を感じにくいようにしました。ホップ会社の社長としては物足りないですが、お客様からの飲みにくいというお声はほぼ無くなり、ご愛顧いただける方が大きく増加しました。これは開発者冥利に尽きるポイントです。

今後の開発

発売して早1年半。おかげ様で受験力を愛用頂けるお客様は増え続けています。が、冒頭に書いた通り、サプリを飲む人は多くありません。子どもならば尚更です。実際に飲まれている方は全人口の1~2割くらいでしょうか。
「受験力が初めて子どもに飲ませるサプリです」というありがたいお声も届いていますが、受験力でお届けしたい価値は、サプリを飲まれていない大部分の方にはお届けできていません。残念ながら、これは現実です。グミとかチョコとか、食べやすい商品も出していますが、カロリーを気にされる方やお子様が毎日召し上がり続けていただくには、ハードル高いです。

となれば開発者としてはやることは一つ。
サプリではない受験力の開発です。あれだけのホップを詰めれないといった通り、正直簡単ではないですが、多くの方に価値をお届けできるように、ここは頑張ります。もし、こんな商品だといいんじゃない?というアイデアやご意見ありましたら、是非コメントいただけると嬉しいです。

金子CEOのnoteはこちら