2020. 10. 12 09:45
国産ホップがある暮らしの実現へ! ホップの未来を体現する「ホップシロップ」開発秘話
INHOP SHOPから新たに発売された『ホップシロップ~ハーブコーディアル~』。
このホップシロップを開発したBEER EXPERIENCE株式会社の浅井副社長が、
開発の背景や、思い描くホップのあるべき姿、その未来などを語ります。
INHOP SHOPから新たに発売された『ホップシロップ~ハーブコーディアル~』。
ホップをハーブとして楽しんでいただくために、KIRINが契約栽培している日本産ホップ「IBUKI」を中心に、ホップの風味を引き出す香辛料を絶妙な組み合わせで仕上げた、新感覚のシロップです。炭酸で割ってハーブドリンクとして、ヨーグルトにかけるシロップとして等、ホップ独特の華やかな香りと奥深い味わいをお楽しみいただけます。
その発売に際し、ホップシロップを開発したBEER EXPERIENCE株式会社の浅井副社長にお話を伺いました。浅井さんが思い描くホップのあるべき姿、そしてその未来とは?
きっかけは復興への街づくり
ホップシロップ、さらにその販売・製造元であるBEER EXPERIENCE社のルーツは、東日本大震災にまで遡ります。
岩手県出身の浅井さん。KIRINにて首都圏の営業や、横浜赤レンガ倉庫の経営に携わられた後、KIRINの東北復興プロジェクトである「キリン絆プロジェクト」に配属され、宮城・岩手・福島の沿岸周りにおける農業・水産業の復興支援を行うことになりました。しかし、その支援を通じて感じたことは、2〜3年先の未来を変えることはできても、震災以前から顕在化していた過疎の問題など、20〜30年先の未来に対する不安でした。
そこで始めたのが「東北復興・農業トレーニングセンタープロジェクト」。毎年30名ずつ、宮城・岩手・福島から次世代のリーダーになるであろう農業経営者を集め、農業先進国の海外視察等の研修を実施。浅井さん自身もその一期生として、農業経営者の皆さんと同じ釜の飯を食べながら勉強したそうです。
そして、その一期生の仲間であった吉田敦史さん(現代表)が岩手県遠野市で立ち上げられた、BEER EXPERIENCE社に浅井さんも参画。 「日本のビアカルチャーをもっとおもしろく!」という志の下、持続可能な日本産ホップの生産体制の確立とビールのおつまみ野菜・「遠野パドロン」の栽培により、日本の文化であるビールと、ホップの栽培面積日本一を誇る遠野市を結びつけ、遠野を「ビールの里」としてみなさんに楽しんでいただく。日本人にはまだあまり知られていないホップの魅力を、ビールを通じて再発見してもらいたいとの思いを語ってくださいました。
ホップをハブにしたコミュニティ
浅井さんが思い描くホップやビールを使ったまちづくり。ホップの一大産地であるドイツのハラタウでは、最新の技術により、日本よりも圧倒的に効率化が進んだ栽培環境が整備されていたことに衝撃を覚えたそうです。ホップ自体もハーブとして、ハーブティ/シャンプー/安眠効果のあるタブレット等の商品がドラッグストアで販売されているそうで、いかに住民にホップが浸透しているかがうかがえます。
またクラフトビールの聖地であるアメリカのポートランドでは、ホップの農家と醸造家の距離がすごく近く、日々ユニークなビール作りについて会話がされているそうです。また街自体がホップとクラフトビールをハブにしたコミュニティを担っており、ブルワリーと廃材センターという異色のコラボで実現したビールまで登場しているそうです。
この海外におけるホップとビールのまちづくりへの可能性を目の当たりにした浅井さんは、遠野市でもホップをハブとしたコミュニティづくりをスタートしました。ホップ畑や地元ブルワリーへガイドが案内するビアツーリズムをはじめ、ホップの魅力を体感できる遠野ホップ収穫祭の開催、ホップ農家になるための新規就農者の移住促進などを次々と展開し、今では街から自然発生的にユニークなアイデアが生まれているそうです。
その時に大切にしているのが、遠野市を訪れた人にホップのハーブとしての魅力をしっかり伝えること。そして、そのハーブをもっと毎日の暮らしの中で楽しんでいただきたいという思いを込めて開発されたのが、この『ホップシロップ』でした。
炭酸水で割って、ハーブドリンクに。ビールや果実酒と割って、カクテルに。ヨーグルトやバニラアイスにかけて、デザートに。毎日の食卓にホップが並ぶことで、その華やかな香りや奥深い味わいの魅力に気づけるはずです。
INHOPと描く未来
ホップの苦み成分が持つ可能性を引き出し、様々な健康効果が認められた熟成ホップを開発したINHOP。ホップをハーブとして捉えた商品開発や、ホップをハブにしたまちづくりを行うBEER EXPERIENCE。
今回のINHOP SHOPでのホップシロップ販売を皮切りに、この2社がコラボすることでどんなホップの未来が切り開かれるのでしょうか。例えば、BEER EXPERIENCE社の商品開発の知見と熟成ホップを組み合わせた、新たなホップ食品かもしれない。はたまた、遠野市のホップのコミュニティにおけるオンラインイベント。これからの展開にご期待ください。