2020. 10. 20 15:01
熟成ホップ 研究者インタビュー ❷
キリンビール滋賀工場 岡治氏
キリンホールディングスが10年にわたり研究を続け開発した「熟成ホップ」。
この新しい健康素材の誕生の秘密について、研究者にお話をお伺いするインタビューのシリーズです。
開発者にしか分からない苦労やソリューションを掘り下げてお聞きしました。
第2回は『キリンビール滋賀工場』の岡治さんです。
集中力の向上や体脂肪の低減、認知機能のサポートなど、健康機能が認められた自然由来の素材「熟成ホップ」。この新しい健康素材の誕生の秘密について、実際の開発者にお話を伺いました!
第2回にご登場いただくのは『キリンビール滋賀工場』の岡治さんです。キリンビール滋賀工場に入社以来、北海道千歳工場、横浜工場、北陸工場(2010年に閉鎖)等、日本全国の工場建設に携わり、ビールの醸造工程を設計してこられました。これまで手作業で造ってきたビールを、自動運転で製造するためにどうすれば良いか。制御コンピューターにプログラミングするエンジニアとしての仕事から、設備の設計まで、工場全体の建設に携わっていた方です。
未知の素材との闘い
岡治さんが初めて『熟成ホップ』に出会ったのは2016年の2月。『熟成ホップ』製造設備の建設計画が伝えられ、今までの新工場建設や新商品製造技術設計の経験が買われ、担当者に抜擢されました。熟成ホップの製造は岡治さんはもちろん、キリングループでも前例のない新しい計画。担当全員が大きな不安を抱えていたそうです。
岡治さんの仕事はまず、研究所で開発された熟成ホップの製造レシピを確認するところから始まります。ビーカーなどの小さいサイズで製造する際の条件をベースに、工場レベルの大きなサイズで安定して製造するにはどのように条件を調整すれば良いか?設備の大きさや、品質を達成するための機械の選定を、テストを重ねながら進めていきます。許された時間は1年足らず。ハイペースで検討を進め、無事に工事が完了しました。
「ビールであれば、各製品で製法の違いはあれど、大体の製造過程の想像はつく。しかし、熟成ホップは過去に経験のないもの。その分プレッシャーがあった。」と岡治さんは話します。百戦錬磨の岡治さんが最後の最後まで悩まれたのが、熟成ホップのエキスを清澄化する工程。それを解決したのは、岡治さんのユニークなルーティンでした。
解決できない壁にぶつかった時、一番信頼できるのは「夢の中に出てくる閃き」だそうです。機械に「うまく動かないんだ」と訴えていると、だんだん機械の気持ちもわかってくるようになるんだとか。そうすると、機械がうまく動く状況が夢の中に登場し、それを忘れないようにいつもメモしているそうです。この感覚が過去にも色々なトラブルを乗り越える力になり、熟成ホップの清澄化工程についても、「夢の中での閃き」によって無事に壁を乗り越えました。熟成ホップの澄み渡ったエキスが製造された時には、仲間と喜び叫んだそうです。
世のため人のために役立つ素材へ
経験なき挑戦を経て、人々の健康を進化させるためにようやく完成した『熟成ホップ』。
岡治さんから頂いた「熟成ホップが世のため人のために役立つような素材に育ってほしい」という言葉の通り、認知機能のサポートや、体脂肪低減による生活習慣病の予防、また考える人の集中力向上など、熟成ホップの効能を余すことなく、全国にお届けできるよう、INHOPは今後も様々なプロジェクトを進めていきます。ご期待ください。